『イチャイチャした胸筋』

よしだゆり、吉田有理。好きなこと、嫌いなこと。焦がれること、立ちすくむこと。希望、忘却。オフィシャルウェブは、yuripon.net 

動くカラス 歌うカラス

 

昨年WOWOWで放送した

「ボルジア家・シーズン1」の

俗物ちっくな演技のすごさで

すっかりはまってしまったのが

ジェレミー・アイアンズ

 

昨年からひきつづく

「ジェレミーしらみつぶし大作戦」の流れで、

先日、彼の出演DVD「永遠のマリアカラス」を見たところ、

見れば見たで、今度は

歌姫マリア・カラスその人に、はまってしまい

先週になってDVD「マリア・カラス最後の恋」に手を出した。

 

そして、今日はとうとう本物のカラスの姿に拝する栄に浴して

マリア・カラス  TOUJOURS」を見る。

このDVDは、1958パリオペラ座デビュー時に収録された

白黒テレビの映像を編集したもの。

動くカラス、歌うカラスを見るのは

わたしにとって、初めての体験だ。

 

とはいえ

昭和40年代の初め。

妹とよく積み木やブロックで遊んだのだが

できあがったお家の名字は、

かならず “カラス”とつけていた。

地方の田舎町。クラシック好きの一家ですらなかった。

しかし、果たせるかな、

わたしたち姉妹は、この世界のどこかに

“カラス”という名前の、有名なだれかがいることを

うすうす、気づいていたらしい。

 

その名の存在を田舎の少女さえ感じていた

20世紀最高の歌姫がリアルに歌っている姿は

白黒、モノラル、なんのその

まさに、とてつもないパワーで迫ってくるものがある。

 

歌いながら、肩にかけたショールを押さえる手の、

なんと、色っぽいこと。

ソプラノなのに、メゾソプラノっぽいんですね。

これは、世界中の人のハートをつかみますね。

……だなんて、これって、何十年遅れた感想なんだろう。

 

知らなかった人なんだけど

いまや、すごく近しい人になったマリア・カラス

ツタヤの定額宅配リストにはまだ

マリア・カラス ハンブルグコンサート」と

マリア・カラスの真実」が控えている。うれしい。

 

さっきまで、何度も巻き戻して彼女の「トスカ」を見たのに

早くも、もう、思い出すだにせつなく、

その声をもう1度、聴きたくてたまらなくなっている。

人は届かないものだからこそ、手にしたくなる。

恋のような強い感情で、歌姫のことを思う。

たとえ、何十年遅れてるとしても、わたしは言いたい。

マリア・カラス、あなたは罪な人だ」と。

 

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